埼玉県内でオートバイ盗難が増加

前年同期と比較して約1.7倍の盗難被害となっている

バイクの盗難事件というのは、年を追うごとに減少している状況が見られていました。
その理由としては、そもそもバイクに乗る人が減ってきていて、販売台数が落ちているからです。
外に出回るバイクが少なくなり、乗る人も少なくなれば当然盗難も減るというわけです。
また、業者間のオークションでは、盗難被害に遭ったバイクの車両情報が細かく共有されるようになったという変化も大きな要因です。
盗難車両を、少なくとも表の舞台に出せない仕組みを作ることによって、盗難のリスクを減らしていったのです。

しかし、2022年になって、バイク業界を揺るがす大きな発表がなされました。
埼玉県において、たったの9か月で666件ものバイク盗難事件が認知されていたという発表です。
これは前年同期との比較で実に1.7倍もの数字となっています。

2021年と比べると一年間トータルの数字でも498件であり、9か月でもはるかに前年を上回る数字となってしまったのです。
ずっと減り続けていた数字が一気に急上昇したことで、今までにない特異な現象が起きているということが周知されました。

盗難の被害状況と背景

盗難被害の状況を詳しく見てみると、キーを付けたままの状態で盗まれたものが190件もあることが分かります。
そのため、ライダーが意識すれば防げていた事件が多数あったことも理解できます。
さらに前年の統計ではありますが、被害に遭った場所の分類で見ると、アパートやマンションの駐輪場もしくは車庫での盗難が多かったことも分かります。
持ち主の目が行き届きにくい場所が狙われているのです。

こうした盗難事件の急上昇には、コロナ渦におけるバイク販売数の上昇が考えられます。
公共交通機関を使わず、自分の足で移動することにした人が増えて、バイク購入件数が多くなったからです。
それに伴い、今までバイクの流通量が減少していた状況から一転して、バイクニーズが高まってきました。
単純に外で見るバイクの数も増え、盗難リスクも高まったと言えます。

さらに、半導体不足の影響から、バイク本体もパーツも価格がかなり高くなったことも背景にあります。
パーツ自体の不足も一部あり、需要に対して供給が追い付いていない状況も見られます。
こうしたことから、パーツ取りをする目的も含めて盗難という手段に出るケースが増えてしまっているのです。

コロナ渦で人出が少なかった時から比べると、ここ最近は一気に人の往来が増えていますので、前年からの反動で盗難も増えているという事情も考えられます。
このように様々な要因が重なってオートバイ窃盗が急上昇していますので、防犯対策をしっかりとした被害に遭わないように気を付けましょう。


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