原付免許廃止の噂が出る背景とは
原付免許が廃止されるという噂は、かなり以前からありました。
「原付免許が廃止されて、125ccまでのバイクは普通自動車免許で運転してよくなるのではないか」という噂です。
なぜこのような噂が出たのかは、いくつか理由が考えられますが、大きいのはそもそも原付免許という制度が世界の基準に適していないことでしょう。
世界各国を見ると、50ccのバイクを運転するのに免許が必要なところはほとんどありません。
なぜなら、50cc程度なら自転車に毛の生えた程度だからです。
日本でも「原動機付自転車」というように、本来自転車と考えた方が適切でしょう。
自転車を運転するのに免許は必要ないため、50ccの原付バイクを運転するのにも免許が必要ないと考えられるわけです。
実際、ジュネーブ条約という国際協定でも原付バイクについての記載はありません。
ですから、原付免許を持っていたとしても国際免許証の交付は認められず、日本以外では無用になってしまうのです。
原付バイクのみでは利益にならないバイク会社
そもそも原付免許が必要ないのが世界基準ですから、その廃止が噂されるようになったのも不思議ではありません。
さらに原付バイクの売上が下がってきたことも、その噂に拍車をかけています。
ちょっと前までは多くの人が通勤や通学に原付バイクを利用していましたが、今では街で見かける数もぐっと減ったとは感じないでしょうか。
実際、バイクメーカーも50ccバイクの生産を縮小しています。
たとえば、以前はそれぞれ50ccバイクを作っていたヤマハとホンダが業務を提供しました。
各社それぞれで独自のバイクを作るのではなく、「50ccバイクを作る時は2社一緒に」という決定です。
これは50ccバイクがそもそも売れないことが大きな理由でしょう。
さらに、スズキも50ccバイクの生産から撤退するとの噂があります。
そうなると、業務提携したヤマハとホンダでしか50ccバイクが作られなくなるということです。
ということは、ほとんど独占市場になってしまうので、バイクの価格は高止まりしてしまうことが予想されます。
海外、特にベトナムなどの東南アジア諸国では、110cc程度のバイクを数万円で販売しています。
関税などはあるため日本で販売する場合はもう少し高くなりますが、それでも国内の20万円以上する50ccバイクより安く売れるのは確実でしょう。
もしそうなったら、わざわざ原付免許を取得してまで原付バイクに乗りたいと考える人も少なくなるはずです。
免許制度には法律も絡んでくるため、そう簡単には廃止とはならないでしょう。
しかし、このままではいずれ原付バイクの需要がなくなります。
そうなったら、免許制度は残ったとしても、誰も取得しようとしない意味のないものになってしまう可能性があるのです。