カワサキが水素エンジン実用化を宣言

2030年の水素エンジン実用化を目指すと発表

2022年11月イタリアにて、ミラノモーターショーが開催されました。
そのショーでは様々な未来志向のコンセプトモデルが発表されていますし、各メーカーが現在進めている新世代のバイクについての発表を行っています。
その中で、カワサキモータースの社長である伊藤浩氏は、水素エンジンの実用化について明確な発表をしました。
その内容とは、他メーカーとも共同で開発を進めている水素を使った内燃機関の実験が進んでおり、2030年には本格的に実用化をするというものです。

世界的に見ると、自動車もバイクも電動駆動をメインとした流れとなっています。
しかし、日本メーカーは内燃機関にこだわり、特に水素エンジンの可能性に着目して研究を進めています。
また、実際に水素インフラの整備を行っていて、オーストラリアなどで水素を生成して専用輸送船で日本国内に輸送するルートを作り上げています。

その流れの一環として、カワサキもやはり水素エンジンに強いこだわりを見せています。
すでに2022年9月には、研究用という形ではありますが水素エンジン仕様の4輪バギーを完成させています。
バギーはタイヤこそ4輪ですが、基本的な構造はバイクに近いものがありますので、そのまま水素エンジンの仕組みをバイクに転用できる可能性を秘めています。

水素エンジン搭載バイクの仕様について

実際にどのような形で水素エンジン仕様のバイクが出るかは分かりません。
とはいえ、ミラノショーではいくつかの動画や画像を発表して、そのイメージを教えててくれています。
それによると、ベースとなるバイクのモデルはニンジャH2SXであることが分かっています。
もともとH2エンジンを使って水素燃料直噴型のエンジンを開発していますので、そのままニンジャH2で実用化まで進むことが予想されます。

パニアケース部分に水素タンクを付ける構造となっています。
H2エンジンのオリジナルはスーパーチャージャーとなっていますが、その構造は水素エンジンでも継続される模様です。
水素燃料は爆発の危険性などから、多少大型になったり重くなったりすることも考えられます。
そのため、本体重量を適正に保ったり、収納力を削ったりせずにするためにパーツの配置をよく考える必要があります。
しかし、今回のミラノショーにおける動画や画像では、かなりはっきりとした形でパーツが納められていますので、カワサキとしてはしっかりとした設計ができあがっていることが分かります。

また、上述の4輪バギーなどでも走行実験を繰り返していますので、後は安全性を含めて市販できるレベルまで持っていく段階に入っています。
開発は順調に進んでいっていると見られ、これから新しい時代のバイクとして進化を遂げるのを見守りたいところです。


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