アクセルを吹かすバイク

ビッグスクーターの立ちゴケを防ぐには

ビッグスクーター特有の立ちゴケリスクと代償

バイク乗りなら誰もが一度は経験するであろう立ちゴケ。
特にビッグスクーターにおいて、そのリスクとダメージは他のバイクと比べても深刻です。

私自身も経験がありますが、ビッグスクーターはその快適な居住性と引き換えに、200kgを超える車重と幅広な車体を持っています。
走り出してしまえば重心が低く安定しているのですが、停車時や押し歩きのときは、その重さが牙を剥きます。

一般的なバイクなら、グラっときても腕力や足の踏ん張りで耐えられることがありますが、ビッグスクーターは一度バランスを崩して傾き始めると、テコの原理が働いて人間の力では支えきれなくなるポイントがあっという間に訪れます。

そして何より恐ろしいのが、転倒した際の代償です。
ネイキッドバイクならエンジンガードやハンドルエンドが傷つく程度で済むこともありますが、フルカウルで覆われたビッグスクーターの場合、広範囲にわたってボディが傷つき、最悪の場合はカウルがバキッと割れてしまいます。

外装パーツの交換費用は驚くほど高額で、心のダメージも計り知れません。
このような悲劇を避けるためには、腕力に頼るのではなく、頭を使った事前の策が必要不可欠なのです。

倒さないための駐車と乗降の鉄則

停車位置の傾斜を見極める

立ちゴケの多くは、走行中ではなく、停まる瞬間や取り回しの最中に発生します。
私が駐車する際に最も神経を使うのが、路面の傾斜です。

わずかでも右側(車体が傾く側とは逆)が下がっている場所に停めるのは絶対に避けてください。
足をついた瞬間に地面が想定よりも遠くにあると、空振りのような状態になり、そのまま車体の重みに耐えられず右側に倒れてしまいます。

逆に、左側が極端に下がっている場所も危険です。
サイドスタンドをかけたときに車体が傾きすぎてしまい、今度は発進するときに車体を起こすのが困難になります。

可能な限り平坦な場所を選ぶのが鉄則ですが、どうしても傾斜がある場合は、必ず頭を高い方に向けて停めるようにします。

また、ビッグスクーターにはマニュアル車のようなギアを入れてロックする機能がありません。
坂道では勝手に動き出してスタンドが外れてしまう恐れがあるため、必ずパーキングブレーキをかける癖をつけてください。
これは命綱といっても過言ではありません。

乗り降りのルーティンを固定化する

乗車と降車の動作も、無意識に行わずルーティン化することでリスクを減らせます。
特に注意したいのが、またがるときと降りるときです。

私は必ずブレーキレバーを握ったまま動作を行うようにしています。
ブレーキを握っていれば車体が前後に動くことがなく、軸が安定するため、乗り降りの際にバランスを崩しにくくなります。

また、サイドスタンドの扱いも重要です。
降りるときは、エンジンを切り、完全に足をついて安定させてから、目視でサイドスタンドを確実に出し切るまで気を抜きません。

出したつもりで途中までしか出ておらず、体重を預けた瞬間にガシャーン、というパターンは非常に多い事故例です。
逆に発進時は、またがって車体を垂直に起こしてから、最後にスタンドを払います。

この順序を身体に染み込ませるだけで、うっかりミスによる立ちゴケは劇的に減らせますよ。


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